【きゅーさい】
るる


作り笑いも出ないほど、負けた。




朝から降り続いている雨は

灰色の街を濡らし

大きな水たまりに映る自分の影が


滲んで


ため息と混じるたび

ひどく惨めな気持ちになる。



今までにも幾度となく

ふらつくほどの敗北感と後悔を背負って帰ることはあったが


いつも以上に足取りが重く感じたのは、きっと、

昨夜届いた2通のハガキのせいだろう。




1通は

〜同窓会のお知らせ〜



差出人の名前の後ろに記された旧姓を見ても

カケラほどの懐かしさすらこみ上げてはこなかったが、

自分にとっては高校を卒業してから経過した年数がそのまま丸々

スロットと向かい合ってきた年数であったこと


それから


日付が5月5日ーーー


かつての級友の顔よりも先に、

ゾロ目の日の営業に力を入れているホールの名前が思い浮かんだことが情けなくなって

返信ハガキごと、ゴミ箱に捨てた。




もう1通は

(v*'ω')v家族が増えましたv('ω'*v)



こんな自分に未だに連絡をくれるなんて…

と思えるような間柄の差出人ならよかったのだか

はて?どこのどなただったか…と

3分ほど、
記憶の糸を辿るはめになった。


何年も前に辞めた職場の、

ええと、

ナントカさん。


ナントカさんに家族が増えたんだと。


祝福の言葉より先に、

なぜ自分に、という
嫌悪感に似た嫌なものが出た。


ただ
少なくともそれをぶつけられる対象ではない無垢な生き物への妙な申し訳なさもあり


ゴミ箱へ伸ばした手を引っ込めると


本棚から20年以上ぶりに辞書を取り出して
適当に開いたページに挟み、

また本棚へと戻した昨夜のことを思い返す。


やるせない


ちがうな


なにもない


なにもない。



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